2023.10.30
教えて!相続ぺディア


今年4月1日施行の民法改正により相隣関係の見直しが行われました。
例えば、お隣の土地との間に塀を建てる、もしくは既存の塀を建て直したり、修繕をするためにお隣の土地に立ち入らないと工事ができない場合があります。
改正前の民法では、「土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる」と規定されていましたが、立ち入るためにお隣さんの承諾が必要であったため、お隣さんの所在が不明である場合等は承諾を得ることができず、隣地を使用して良いのかがわからないという問題がありました。
そこで、改正民法では、「土地の所有者は、一定の目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる」と規定され、従来の「請求することができる権利」を「使用することができる権利」に変更し、隣地使用の権利が明確化されました。
これにより、お隣さんの承諾が得られない場合でも、一定の条件(※)をクリアすることで隣地を使用することができるようになります。
我々土地家屋調査士も、土地の境界を明確にするため、隣地に立ち入って境界の杭や工作物等を確認し、測量をする必要がある場合がありますが、お隣さんの承諾が得られず、測量を行うことができないという場面もありました。しかし、これも同様に、測量のために隣地に立ち入る権利があることが明確化されたため、お隣さんへの協力を求めやすくなると考えています。
今回の民法改正により、相隣関係のトラブルが減り、不動産の円滑な利用や管理が促進されることを願っています。
隣地とのトラブルでお困りの場合には、青山REAXグループにご相談ください。
※一定の条件…隣地使用の日時・場所・方法は、隣地所有者等のために損害が最も少ないものを選ばなければならないこと。また、無断で隣地を使用していいわけではなく、あらかじめ、その目的、日時・場所・方法を隣地所有者等に通知をする必要があります。
ただし、隣地所有者の所在が不明である場合のように、あらかじめ通知することが困難なときは、隣地所有者が特定され、その所在が判明した後に遅滞なく通知することで足りるとされています。