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2023年10月30日配信号(vol.004)にて「民法改正-隣地使用権の明確化」についての情報をお届けしておりましたが、今回は隣地が私道である場合のお話です。
ある土地が他人の所有する私道に接している場合、電気、ガス、水道等のいわゆるライフラインを設備するために私道を利用しなければならないケースがあり、不動産の取引上は当該私道の利用や掘削をするための「通行掘削承諾書の取得」を売買の条件とすることが一般的でした。
これは隣地使用権に関して法律の明文規定が存在せず、明確なルールが存在していなかった背景から、隣接私道が使用できるかどうかで取引対象地の価値に影響が生じるからです。
令和5年4月1日施行の改正民法第213条の2により、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用しなければライフラインの継続的給付を受けることができないときは、事前に通知を行う必要はあるものの、必要な範囲内で他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができることが規定されました。これにより、私道を通行する権利や掘削する権利が保証され、原則として、事前通知を行えば私道所有者の承諾は不要となったため、「通行掘削承諾書の取得」は必須ではなくなりました。
しかしながら、改正民法がまだまだ認知されておらず、私道所有者とのトラブルが生じる可能性を秘めているため、その適用には個別の対応が必要になることでしょう。承諾書があるということは外形上も、心理的にも安心であり、改正法が広く一般に認知されるまではその取得も不動産取引の条件になることと想定されますが、承諾が得られない際の対策のために法律の理解を深めることが重要ですね。
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