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不動産

2024.03.29

越境した枝、切除しやすく

今回は越境した竹木の枝に関する法改正について、お話します。

旧民法下では、隣地の竹木の枝又は根が境界線を越える場合について、それぞれ異なる取り扱いが規定されていました。根は自ら切り取ることができるのに対し、枝は竹木所有者に切り取らせる必要がありました。

そのため、もし竹木所有者が枝を任意に切除しなければ、竹木所有者を探し出し、切除請求訴訟を提起し、債務名義を得て強制執行を行う必要がありました。

また竹木所有者側の問題として、竹木所有者が複数名いる場合、越境した枝の切除を共有者の一人が単独で行えるのか否かについて、争いがありました。

そこで、改正民法233条では、枝は竹木所有者に切り取らせるというベースを維持しつつ、竹木所有者が不明である場合や急迫の事情のある場合等の特則を設け、侵入してくる枝を切除できることとしました。また、竹木が共有である場合には内一人が単独で枝を切除できることが明記されました。このように、改正法は、隣地所有者の利益に配慮しながらも土地の円滑な管理を促しています。

なお、切除の費用については規定されていないものの、基本的には竹木の所有者が負担することになろうかと考えられています。しかし費用負担はケースバイケースであり、争う余地があります。

相隣関係のトラブルなど、不動産にまつわるお困り事がありましたら、お気軽に青山REAXグループまでご相談ください。

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執筆/監修

白藤 幸一

東京都中野区出身、杉並区在住。都内司法書士法人に勤務後、都内土地家屋調査士法人にて不動産の表示に関する登記や土地の境界確認手続きなどの調査・測量業務に従事。その後独立を経て現在に至る。明治大学法学部卒。
最近、第一子の娘が生まれて、にぎやかな毎日がスタートしました。

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